
Wisora導入事例
Nature株式会社
繁忙期に5倍増える問い合わせ対応を、
AI導入で平準化
AI導入で平準化
カスタマーサポート
従来のチャットボットでは解決できなかった自由な質問にも、高い精度で答えてくれるのが大きな決め手でした。Zendeskとの連携もスムーズで、社内フローに自然に組み込める安心感もありました
Wisora活用のポイント
ヘルプセンターのドキュメントを
AIに読み込ませるだけで、
自然な会話形式のサポートを実現
AIサポートの利用率は4割超。
継続的な改善によりさらなる活用を推進
Zendesk連携により、
AIが対応できなかった
問い合わせもスムーズに人へ引き継ぎ、
効率化を実現
導入の背景
繁忙期に5倍増える
問い合わせ対応
Natureは、エアコンや照明など家電をスマートフォンから操作できるスマートリモコン「Nature Remo」シリーズ(累計販売台数70万台 *)や、電力使用を最適化するスマホHEMS「Nature Remo E2」を提供しています。
* 2024年8月時点

近年の猛暑によりエアコンの使用時間が全国的に増加し、夏季には問い合わせ件数が閑散期の約5倍に達していました。そのため、繁忙期は問い合わせ対応に追われ、自己解決 を促すためのヘルプページ整備などに十分な時間を割けない状況が続いていました。
「サポートは3名体制で運営していますが、夏だけ一時的に増員するのは難しく、既存メンバーへの負担が大きい状況でした」とNature カスタマーサポート 梶原 竜太氏は語ります。
一度はシナリオ型チャットボットを導入しましたが、ユーザーはマニュアル通りではなく自由に質問する傾向が強く、想定外の内容には対応できませんでした。その結果、「人のサポートにつないでほしい」という要望が多く、サポート工数の削減には至りませんでした。また、「質問しても解決にたどり着けない」というユーザーの不満も明らかになりました。
「このままでは効率化は難しいと感じ、もっと自然にAIを活用できる方法を探していました」と梶原氏は当時を振り返ります。
導入の結果
AIサポート利用率43%、
顧客体験にも変化
Wisora導入にあたり、まずヘルプセンターのドキュメントを読み込ませてサポートボットを構築し、過去に対応が難しかったケースを使ってAIの回答精度を検証しました。
十分な説明がなくてもユーザーの意図を推測し、Wisoraが端末のLEDが示す光の色や点滅パターンをもとに状況を整理して回答を用意するなど、人間のような柔軟な対応が可能であることが分かりました。精度・正答率ともに実用レベルと判断し、導入を決定しました。
「ヘルプセンターのドキュメントを読み込ませるだけで、ここまで高精度に対応できるとは驚きました。この精度なら十分に活用できると手応えを感じました」とカスタマーサポート 中村 玲菜氏は語ります。

導入後の最大の成果は、顧客が自ら課題を解決できる割合が大幅に増加したことです。初期は「AI回答を希望する方のみチェックを入れる」方式で利用率約20%でしたが、「早くて助かった」「回答が的確だった」といった好意的な声が増加。
その後、「AI回答を基本とし、希望しない場合はチェックを外す」形式に変更したことで、AI利用率は約43%に上昇し、そのうち7割がAIのみで自己解決しています。
また、Zendesk連携により、AIとのやり取り履歴がチケットに自動的に記録され、人が引き継ぐ際も「顧客がどこまで試したか」を即座に把握できるようになりました。結果として、対応時間短縮と顧客満足度の向上を両立しています。
「以前のAIサービスには『人の代わりは難しい』という印象がありましたが、Wisoraは“レビューしなくても安心して任せられる”存在です」と、中村氏は話します。
さらにNatureでは、「人による対応を希望した理由」を顧客に入力してもらう仕組みを導入。これにより「AIが苦手とする質問領域」や「改善の方向性」が明確になり、AIの学習・改善サイクルが社内に定着しています。
「AIが苦手な部分を人が補い、その知見をWisoraに学習させることで、着実に精度を向上させていきます」とAIの改善やシステム連携を担当するカスタマーサポート 大城 千秋氏は今後の可能性を語りました。
今後の展開
AIを「4人目のメンバー」として
現在、Natureのサポートチームは3名体制。Wisoraを「4人目のメンバー」として 位置づける構想を描いています。
「3名のメンバーは新製品知識の習得やヘルプ記事作成に専念し、その知識をWisoraに学習させる。Wisoraは24時間365日、安定した回答を届ける──そんな役割分担を理想としています」(大城氏)
今後は、チケットベースの応答に加えてリアルタイムチャット対応の導入も検討中 です。メールを待たずに、その場で回答が返ってくる体験は顧客満足度をさらに高 めるはずだと、チームを寄せます。
また、新製品「Nature EV Switch」やEVコンセント関連サービスの展開を控えて おり、サポート範囲の拡大が見込まれています。限られた人員で高品質なサポート を維持するためにも、Wisoraは今後ますます欠かせない存在となっています。
「Wisoraはもはや“道具”ではなく“仲間”です。これからも共に成長していける存在 として、長期的に活用していきたいです」と梶原氏は締めくくりました。
